悪魔的ドクター
第3章 病院
診察室に戻り
結果を見るなり溜め息が出た。
「少し入院させて様子を見てみるか…。咲桜ちゃんのご両親に連絡して」
「はい」
事務の女性に電話を頼み
俺は検査結果を見返す。
咲桜ちゃんが倒れた時
病院に着いて検査をしてみたら
やはり喘息があった。
喘息はレントゲンに異常は認められない。
だけど聴診した時の喘鳴からしても間違いない。
もともと気管支炎はあったし
移行も考えられてはいたけど…
「またどうして酷くしたんだ…」
この3年間
病院に来なかったのは
きっと調子が良かったからだと思っていたけど…
違うのか?
「はぁ…」
カルテを見つめたまま
俺はまた深く溜め息をついた。
「速水先生、姫宮さんのご両親と連絡がとれないんですけど…」
「留守か?じゃあ時間を改めて掛け直した方が」
「いえ。…電話が使われてないみたいなんです」
俺が最後まで話す前に
事務員に遮られてしまった。
自宅は固定電話の番号だし
考えられるのは
引っ越しか番号を変えたというくらい。
どちらにしろ本人に直接聞いてみるか…
「あとで咲桜ちゃんに聞いてみるよ」
俺は、まだこの時
咲桜ちゃんの両親と連絡が取れない事に、不信を抱かなかった。
甘かったんだ。
――……速水side END *。+†*