悪魔的ドクター
第4章 拒否
***
次に目を覚ましたのは
どれくらい経った頃だろうか。
相変わらず真っ白な天井に
辺りはカーテンで覆われ
電気がついてないのか
部屋の中は薄暗い。
気分はスッキリしていた。
点滴のおかげで
目眩もダルさも
ほとんどない。
体が動く様になったから
ゆっくりと上半身を起こし
電気を探す。
ちょうどその時
━コンコン…
扉を叩く音がした。
「はいッ」
返事をすると扉が開き
速水先生が入ってきた。
「起きてたのか?」
「はい…心配お掛けしました」
上半身を起こしたまま
先生に頭を下げた。
「もう無茶するなよ?」
そう言って
あたしの頭をクシャっとした。
先生はやっぱり
責める訳でも怒る訳でもなく
優しいまま。
「ちょっと胸の音聴くから、服捲って」
言われた通りにあたしは洋服を胸くらいにまで上げると、先生は真剣な表情で聴診器を当てた。
「うん。とりあえず今は落ち着いてるみたいだ。だけどまだ動きまわらないように」
『はい』と返事をしてる間に
先生はカルテにペンを走らせた。