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悪魔的ドクター

第4章 拒否

「ねぇ…先生?」


「ん?」


「どうして責めないの?」


「え?」



カルテに何やら書いてた先生は
あたしの質問に手を止め
驚いた表情で目を合わせた。



「煙草吸った事…先生の言う事聞かなかった事…、なんで全部、自業自得だって言わないの?あたしは怒られる事したんだよ?」



そんな質問にも関わらず
先生は相変わらず冷静だった。



「まぁ確かに怒りたいのは山々だけど、医者として俺に責任があるから。お前だけを責められない」


「だけどッ」


「それに…」



あたしが話すのを遮り
俯き加減に先生は言葉に躊躇う。



首を傾げていると
先生はあたしに目を合わせ
小さく微笑んだ。



「自業自得なんて思わないよ。むしろ、咲桜ちゃんの発作が治まって安心したんだから。俺こそ悪かったな」



その表情と言葉に
思わずドキッとしてしまった…。
先生が大人すぎて
自分が情けなくなる。


医者だから当たり前に心配するんだよ。

わかっていても
嬉しい。



「今回の事、ちゃんと咲桜ちゃん自身が反省しているなら、俺は何も言わないよ」


「…はい」



甘く考えてたから…
ちゃんと気を付けないとな。




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