悪魔的ドクター
第5章 助け
――……速水side *。+†*
咲桜ちゃんを心配する俺。
…なんて事はお構いなしに
隣で酔いつぶれてる友人A氏。
俺は今
なぜかこの酔っぱらいを家まで送っている。
ここ何週間か当直続きで
ようやく久しぶりの早番なのに
いきなりコイツに呼び出され
居酒屋でグチを聞かされ3時間…
当本人は
言いたい事を言って満足し
泥酔状態で高イビキ。
そんなヤツを
結局俺が送り迎え。
俺は酒は飲めるけど
この仕事してると
いつ呼ばれるかわからないから
普段は飲まない様にしてる。
だからこうして使われる事も多々あるが…。
「車ん中で吐くなよな」
言ってはみるが
隣で爆睡する友人には
まったく聞こえてない。
俺は心底迷惑している。
泥酔の男ほど面倒なもんはないと思う。
「タクシーじゃねぇっての」
酒臭い車内の環境を変えるため
窓を全開にして
夜の道路を酔っぱらいを乗せて走る。
車を走らせる事30分
カーナビが指示するこの場所で
ふとある事に気付いた。
この辺は確か
咲桜ちゃんが住んでいる…はず。
実際に行った事がないし
番地までは覚えてないから曖昧だけど。
けど行くつもりはない。
そんな事したら
俺はストーカーと何ら変わらないし、医者でいられないから。
近くのコンビニで
コーヒー買って帰るか。
――……速水side END *。+†*