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悪魔的ドクター

第5章 助け

「先生どうしてこんなに早く来れたんですか?病院からここまで30分は掛かるはず…」


「あ~。ちょっと所用でこっちまで来てたんだ」



あ、だから早かったのか。
納得。



「偶然こっち来てて良かった。個人情報の持ち出しも悪くなかったって事だし…」


「なんの事ですか?」


「…なんでもない、こっちの話。それより、そんだけ話せるなら大丈夫そうだな」



確かに。

吸入器のおかげか
咳は一先ず治まった。
ただ、まだ胸の圧迫はある。



「咳は治まりました。だけどまだなんか変…」


「発作自体が治まった訳ではないから、油断するなよ?」



喘息の発作って
なんか色々大変…。

ちょっとの刺激で
咳がまた出そうだし。



窓の外の真っ暗な景色を
ボーッと眺めていると
車の揺れで少しずつ睡魔に襲われ始めた。



「もし眠れるなら少し寝た方がいい。着いたら起こす」



先生は気付いたらしく
気遣ってくれる。

だけど
こんな密室空間で
先生の隣で眠るなんて…


そうは言っても
睡魔には勝てなかったみたい。


いつの間にか
目を閉じていた…





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