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悪魔的ドクター

第1章 再会

「あたしの不整脈…何か問題ありましたか?」



また心電図なんて言うから
ちょっと怖くなった。



「そういう訳じゃないよ。最後に測ったのが高校生だったから、新しい記録も残しておこうかと思っただけ」


「…そうなんですか」



それならそうと言ってほしい。

それでなくても
気管支は悪い、不整脈もあるなんてイヤで仕方がないんだから。



「あとで循環器科で心電図検査してもらって」


「…はい」


「喉の様子診るから口開けて」



また淡々と医者らしく診察を始める速水先生の言う事を、ただ黙って従う。

さっきから
カルテを見ながらしゃべってるから、まるでカルテを診察しているみたいだ。



「喉も赤いね。抗生物質と念のため解熱剤を処方するね」


「…はい」


「もしあまり酷くなる様だったらすぐに病院来てね?」



あたしは何も答えなかった。


段々イライラしてきたから。

前から知っているのに
何この義務的な対応は。


確かに仕事だし?
あたしは患者で診察に来てる訳だから、しっかり治療しなきゃいけないのはわかるけど…

なんかイラッとするこの態度。




我が儘承知で
あたしは先生を無視した。





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