悪魔的ドクター
第6章 同棲
「…発作が怖くて…」
「あ、そっか。大丈夫。病院には戻らないから、何かあったら遠慮なく言え」
そんな先生の優しさに
思わず照れながら
あたしは小さく頷いた。
「じゃあ…おやすみ」
「お…やすみなさい」
ドキマギしながら別れる。
「はぁ…」
先生が静かに部屋の扉を閉めたと同時に、溜め息が出た。
どうしてこんなに
ドキドキするんだろう…。
男の人の家に泊まる事も初めてなのに、住んじゃうんだから我ながらビックリだ。
先生は大人だし
今まで彼女を連れて来た事もあるだろうし…
一緒に住んだ事もあるかもしれない。
だからきっと
ドキドキしてるのはあたしだけ。
それに
ここに来た目的は
あくまで『入院』
勘違いしない!!
って…
何を勘違いしてるんだろう。
「…寝るか」
色々と考えててもゴチャゴチャするから、とりあえず今日はこのまま寝る事にした。
だけどきっと眠れない。
色んな意味で…。
ベッドから香る洗剤のにおいに包まれて、あたしはそっと、目を閉じた。