悪魔的ドクター
第7章 心配
この1週間
意外にもちゃんと咲桜ちゃんは通院してくれていて。
発作も起きてないらしいから
少し安心した。
ただ…
どこまでが本当か
若干怪しい…。
本当は
我慢してるんじゃないのか?
…とか
俺はいつからこんな心配性になったんだろうか。
「…電話するかな」
誤解するな。
心配だから電話をするんだ。
って…
俺は誰に弁解してんだ?
疲れてるんだな、俺は。
自分の携帯の履歴から
咲桜ちゃんの番号を見つけ出し
発信ボタンを押す。
すると暫くして…
『はい、もしもし』
咲桜ちゃんが出た。
「もしもし?俺だ」
『…あいにく、あたしには息子はいませんけど』
「は?」
何を言ってんだ?
この娘は。
『オレオレ詐欺はお断りです』
あー
なるほど、オレオレ詐欺ね。
…じゃねぇよ。
「オレオレ詐欺じゃなくて、速水です。」
『あ、先生でしたか』
なんだ?
わざとらしいぞ。
携帯に電話してるんだから
名前が出るだろ、名前が。