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懐かしい教室で♡♥︎♡

第1章 明石 悠渼先生と。-1年の教室で。

先生?

なんで近付いたんだろう?
いつもは、もっと、決まったような距離で、近くも遠くもなくて…。

「あの、先生っ、手…」


「ごめん、今は…無理」

え、なんで、かな…。
わかんない…。

顔がどんどん熱くなっていって、目の焦点も合わなくて…先生は、今どこに……でも、右手がっ

「あ、あの。腕、時計…が…あの、明石先生っ」

「あー、もう…」


先生がため息を吐いて、私は首元になにも付けてないことを、初めて後悔した。

アクセサリーは校則違反だから付けないけど、だけど…。

「きゃっ」
「………」

声、上ずったみたいな声が出てしまった。

私は下に提げていた睫毛をそろり、と上げると…
「わっ、え、なんでっ」

先生が近くて、顔が熱くて…。

「先生っ」

「…桃瀬さん、あの」
「ひゃっ、ごめんなさい、喋らないで…っ」

息が、首筋に、当たって…。


「黙って」

声が低い先生は、こんなに近くで、初めてで…。

「で、っでも、息、が…」

なんでか、周りに人がいるかいないかが物凄く気になる。
夕暮れだけど茜色の眩しい光が、私に当たるから、先生にどんな顔が見られてるかわからない…、なんか、変に、恥ずかしい…。


「手、痛い……?」

先生の声は低めのアルトで、今はなんでか、舐めるみたいに、私の首元で、熱めの声がテノールに変わるみたいで…蒸気が溜まるみたいに、私は顔を赤くさせるしかない…。
「桃瀬さんあのさ…ごめん。顔赤いのやめて?」

「え、む、無理ですっ」

………明石先生がひどいのかな…。
私、難しいことを言われたような、無理…。


「あ、暑いからっ、あのっ…っせんせ…っ」

「も、むり……」

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