
R:ラブデビゲ
第10章 悪魔と天使
私は、ゆっくり目を開ける―――…
多分…顔は真っ赤だろうなぁ…
良かった…今は授業中…
静かな保健室に―――――…
カチカチと…
時計の進む音が聞こえる…
小笠原先輩…大丈夫かな?
男同士の恋愛は…
タブーなんだろうけど…
悪魔を恋愛対象にしてしまった私より…
未来は明るい気がするから…
不思議と羨ましくなった…
「先輩……幸せになるかなぁ…」
私は…小笠原先輩の笑顔が好きだったし…
皆の輪の中で…凛としていてほしい…
卒業するまでは…そんな姿を…私が見ていたかった…
ただ…それだけで…
先輩の試練を……うやむやにしてしまった――――…
先輩達なら…この試練を乗り越えられたかもしれない…
私は、先輩達の強くなる瞬間を邪魔したのではないだろうか…
でも――――…
私は、これで良かったのだと…
思いたかった―――――…
私は、天井を見つめ…
大丈夫…と…唇を動かした…
