R:ラブデビゲ
第13章 取引と欠片
「―――…何か…借りるんですか?」
本棚を…ただボーっと見つめていた私の後ろから…
あの時の再現かのように……
声がした…
「―――…小笠原…先輩…」
私は、振り向き…
声の主を…確認する―――…
小笠原先輩は、ニッコリ笑い…私を見ている―――…
「―――…いぇ…なんとなく…ここで足が止まってしまって…」
「そう……そう言う時って…あるよね――――…解るよ…」
私は…薄暗い――――…
本棚の間で……
憧れていた…小笠原先輩と…
話をしている―――――…
でも…不思議と…
心は…何も感じない―――…
そりゃぁ…先輩だし、美形だし…
多少の緊張はしても―――…
あの時の…ワクワクや…ドキドキ…は…
無い―――――――――…
「そうだ…おまじないの本…効果あった?」
先輩は、少し…笑い…少し…
不安げな表情で……
本棚を見た――――…
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