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ウサギとオオカミ

第1章 ウサギさん



「秩。起きないと遅刻するよ?いいの?ちつー?あっ!ゴキブリだ!(嘘)」


「うそっ!!!いやっ!!………ってまた、おにぃ嘘ついた!!!……うそっ!?もうこんな時間!?」


はぁ……毎日のことだけどさ…
自分で起きてほしい


今、起こしたのは妹の秩。中学生だ。


「朝ごはん作ってるから、食べて行きなよ?じゃあ俺は雪送って行くから。鍵、よろしくね。」


「いってらっしゃい!!やばいょ…」


自業自得……



「雪行くよ?」

「うん。」


俺は毎日こうして弟を幼稚園まで送り、高校へ通っている。



「にぃに。とりがいる!あそこ!!」

「あっ!ほんとだ!二匹いるね?」


小さい手、くりっとした目。


本当、かわいいよなぁ……



まだ雪は四歳。だから言葉も曖昧で…


「にぃに!すき!!」


「俺は雪のこと大好き。」


「にぃにのことだいだいだーい好き!!」


かわいいわ………

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