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泣いて、笑って、恋をした。

第3章 act2





私は彼を見つめた。
彼の薄茶の瞳が私を捕らえ見つめる。




「私を……探したんですか?」




私は彼に名前しか教えてはなかった。
なのに彼は私の居場所を見つけ出した。
何時も銭湯に行くことも、時間帯も知っていた。




闇に住む彼なら、あの街に住む私を探し出すことなんて簡単だろう。
でも、
どうして?
どうしてなんだろう。




「あぁ」



「……どうしてですか?」




彼は唇の端を上げ笑い





「お前が捨てようとしたモンを拾っただけだ」




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