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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

もういい!
今日は思いっきり泣こう!!

そして、全部忘れよう!!


大量に流した涙と一緒に、清水と出会った時からの全てを忘れてしまいたかった。


なのに――――


『これさ、お前に似てねぇ?』


余計清水のことが頭に浮かんできてしまう。


「ム、ムカつく〜!」


それに泣き過ぎたせいか、頭まで痛くなってきた。


屍のようにベッドに横たわり、勝手に流れる涙と鼻水を放置する。


ボヤけた視界にはラッコが霞んで、重複して見えた。


このラッコを見る度に、私は今日の日のことを思い出してしまうのだろうか……。


「もう疲れた……あんたが清水の相手してよ……」


キュゥ〜ン……


勝手に責任を押し付けられたラッコは、どこか物悲しそうに見えた。

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