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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

バッタン!!


力任せに開けたドアは、反動のまま煩く閉まった。


後でまたパパ達に何か言われるかもしれないけど、今はもう何も考えたくない。


部屋に入った途端、また一気に涙が溢れ出す。


「ふぅ……ひっく……ぅぅ……」


もう泣きたくないのに……

何でも止まらないんだろう――――。


もっと色んな経験をしていれば、この涙の理由も分かったのかもしれない。


ただこの時の私は……
自分の感情すらも理解出来ないほど、経験も精神的にも未熟だった。


それすらも分かっていない私は、胸が痛むままにひたすら涙を流すしかできなかったのだ。


鼻が詰まって苦しい。


ティッシュを取ろうとして手を上げたら、ラッコがプラ〜ンとぶら下がっている。


「も、もう……お前のせいなんだからぁ」


手を振り上げて八つ当たりのように、ラッコをベッドに投げつけようとしたけど……


キュゥゥゥ……


急にラッコの鳴き声が聞こえたような気がしてしまい思い留まる。


「はぁぁ……もう……もうっ!」


やり場のない感情を吐き出しながら、私はベッドに倒れこみ、再び思いっきり泣き始めた。


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