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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

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月曜日――――

「そっか……そんなことがあったから、いつになく酷い顔してんのね」


「うん……」


土曜日の出来事を親友の桜にだけは、ある程度話をした。


誰かに共有して貰わないと、精神的に耐えられそうになかったのだ。


それでも清水の部屋でされたことだけは、話さないでおいたけど――。


「今日、本当は大学にも来たくなくて……でも、最近私の様子がおかしいって親も心配しているからさぁ。休むと余計に怪しまれると思って何とか来たんだけど……」


「だよね~大好きなパパさんに心配かけさせたくないもんね」


「うぅっ!! パパのことは言わないで!」


こんな精神状態でパパのことを考えると、一気に涙腺が崩壊しそうになる。


最近の私は本当におかしい。


前はこんなに情緒不安定になることなんて、なかったもん。


そう思うだけで、私の気持ちを不安定させる清水の存在が憎たらしくて仕方ない。


「とにかくもう清水には会いたくない!」


「でもさぁ~。同じ大学だから、どっかでは合うんじゃない? 学食なんて絶対見つかるじゃん」


「しばらく学食行かないもん。木の陰に隠れて食べる!」


「……それでも見つけられそうな気がするんだけど」


「ひぃっ! 桜不吉なこと言わないでよ!」


本当に奴なら、地獄の果てでも追い掛けて来そうな気がしてしまった。

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