ふぁざー × こんぷれっくす
第5章 ファスシネイション
「それにしてもさ。なんで清水くん、風香に固執するんだろうね? 別にモテなさそうでもないのに」
桜は野菜ジュースをチュ~と吸いながら不思議そうに言ってくる。
「あぁ!? あんな底意地悪そうな男、モテるわけないじゃない」
親友の桜は昔から冷静に判断するところがあるから、そういうところも含めて頼りにしていた。
でも今の意見は同意しかねる。
明らかにぶぅたれた顔で桜を見ると、口からストローを外して紙パックを軽く揺すりながら言葉を続けてきた。
「そうでもないみたいよ。実はさぁ~清水くんが風香にちょっかい出してきてから、何人かの女子に二人のこと聞かれたりしたんだよね」
「え……それって?」
「うん、清水くんのこと好きな子たちだろうね。案外人気あるポイよ」
「マジ!? あんな奴が人気なんて、おかしいんじゃないの? てかそんなにモテんなら私にちょっかい出す必要ないじゃん。若しかして私、虫よけ!?」
途端自分が、蚊取り線香にでもなった気分になる。
新たに発覚した事実と予測に、ますます清水が憎らしく思えてきてしまった。
桜は野菜ジュースをチュ~と吸いながら不思議そうに言ってくる。
「あぁ!? あんな底意地悪そうな男、モテるわけないじゃない」
親友の桜は昔から冷静に判断するところがあるから、そういうところも含めて頼りにしていた。
でも今の意見は同意しかねる。
明らかにぶぅたれた顔で桜を見ると、口からストローを外して紙パックを軽く揺すりながら言葉を続けてきた。
「そうでもないみたいよ。実はさぁ~清水くんが風香にちょっかい出してきてから、何人かの女子に二人のこと聞かれたりしたんだよね」
「え……それって?」
「うん、清水くんのこと好きな子たちだろうね。案外人気あるポイよ」
「マジ!? あんな奴が人気なんて、おかしいんじゃないの? てかそんなにモテんなら私にちょっかい出す必要ないじゃん。若しかして私、虫よけ!?」
途端自分が、蚊取り線香にでもなった気分になる。
新たに発覚した事実と予測に、ますます清水が憎らしく思えてきてしまった。