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ふぁざー × こんぷれっくす

第2章 ファーストタイム

「じゃぁ~私はチーズケーキっと!」


「俺は~モンブランかな!でもチーズケーキも美味しそうだね~」


「ふふふ~じゃぁいつもの半分こにしよっか?」


「そうだね!結局半分こだ!」


二人はいまだに恋人気分で、仲良くお互いのケーキを半分こし始める。


ケーキを買って帰ると毎回こうだ!
だったら最初から二個ずつかえばいいのにさぁ~。


パパも分かって買って帰ってるんじゃないかとさえ、思ってしまう。


そんなパパたちをぼんやり眺めながら、クランベリーチョコを一欠片口に入れる。


「…酸っぱ…」


美味しいけど口中に広がる甘酸っぱさが、今日はやけに強調される。


仲の良い両親が大好きだ。
でも、仲良し過ぎるのもどうかと思う。


特に理想通りのイケメンパパを持つのも、有る意味不幸に感じる今日この頃。


「はぁぁぁ~!」


私は思いっきり深い溜め息を吐くと


「風香?」


パパたちは不思議そうに私を見る。


あぁ…私にパパ以上に素敵な彼が出来る日が来るんだろうか…


そんな事を願いながらも、これから訪れる悪夢の日々が起きようとは…


想像もしていなかったのだった。


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