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ふぁざー × こんぷれっくす

第4章 ファーストデート

「はぁ…はぁ…はぁ…」


清水から逃げる様に全速で走っていく。


鼻が詰まって息苦しくて、口を大きく開けて息継ぎすると口の中が渇いてきてしまう。


苦しい…悔しい…。


その感情がだけが、ひたすら頭の中で繰り返される。


あんな男一生理解出来ない!
なんでパパはよりにもよって、清水なんかに宜しく言ったのよ!
清水も清水よ!
律儀に近寄って来るなってぇ~の!


汗なのか…
他のものか…


次々と雫が頬を伝い落ちた。


「はぁ…もう…大丈夫よね…」


足には結構自信があって、図書館からかなり離れたと思って安心した時だった…


二の腕を力強く掴まれて、引き止められる。


ドッキン!


心臓がギュッと、鷲掴みにされた感覚に襲われながら振り向くと


「おいっ!何、逃げてんだよ!」


額に汗を滲ませ肩を揺らし、息を切らしている清水がいた。

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