エスキス アムール
第10章 ニガイキオク
それから
俺は要に同伴してもらって、
三嶋良子に会いに行った。
なんでこんなことをするのか。
そう尋ねると、
三嶋良子は
「波留のことが好きだから。」
そう一言言った。
思わぬ形で公開告白を受けた
俺は、言葉を失う。
「好きだからって
やっていいことと
悪いことがあるだろ?」
そう言う要を彼女は一瞥すると、
「だって、
波留が私のこと
見向きもしてくれないからじゃない」
何もかも
俺のせいだと言う彼女は
どこかで聞いたことのある、
こんな名言を残したのだ。
「いい?私は波留がすき。
だから、
波留のものは私のもの。」
「私のものは?」
「…私のもの」
彼女はヒールをカツカツさせて、
颯爽と歩いて行った。
…
ジャイ○ンかよ。