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エスキス アムール

第11章 デート






『波留のものは私のもの。』

『波留くんって…ホモなんだね』


『もう無理しなくていいから
わかってるから』




色々な言葉が、
ぐるぐる渦を巻いていた。

そのなかに巻き込まれている感じ。


まるでジェットコースターに乗っているみたいだった。


『大野さんと
観に行くってことですか?

一緒に行きたいです』



これ、誰が言った言葉だっけ…?


あ…、はるかちゃんだ

はるかちゃんと、


美術展…



いつだっけ…?
確か土曜日だった。


土曜日、

土曜日って…


明日だ!!


ガバッ




「おー起きたか。」


声がしたほうを見ると、
要が座っていた。

「お前、ウィンクとエアキスって呟いて倒れたんだよ。」

無理しすぎなんじゃねーの。
と言って、要は俺に水を渡した。


「…ありがとう」


「寝不足なのか?」


「あーいや、最近ちょっとな。」


「無理すんなよ。頼むから。」

「おう。」


水を喉に通すと、すっきりして、さっきよりもだいぶ楽になった気がした。

「なあ、要。
なんで三嶋良子って、
俺のこと好きだったのかな。」


「……、しらねーよ。」

ですよね。

話したこともないのに、
なんで好きだと言ったのか、

考え込む俺に、
要はニヤリ、言った。




「それよりも、
明日は、はるかちゃんだろ?」














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