エスキス アムール
第17章 夜中の襲撃
「だれ…っ?」
ドンドンドンドンドンドンドン
今度は、ノックを繰り返す。
怖がっている相手に
なにも言わないなんて、
余計恐怖を煽るだけなのに。
ばかだろ。
だけど、
息が切れて元に戻んないんだよ。
「…あけて」
ようやく、絞り出した声。
すると、ゆっくり、扉が少しだけ開く。
「…どなたですか……わっ!!」
扉後開くのと同時に、
一気に手を差し込んで
扉を勢いよく開けると、
すぐそこにあった
はるかちゃんの手を引っ張って、
彼女を自分の腕の中に収めた。
まだ、息がきれている。
「…大野さん…っ?
やだ!!離して!!」
俺だと気がつくと、
彼女は、本気で抵抗した。