エスキス アムール
第17章 夜中の襲撃
スケッチブックをもらう前だったら
こんなに抵抗されたら
きっと、傷ついていただろう。
けれど、今なら理由がわかる。
はるかちゃんの気持ちがわかる。
俺は、
背中に回す手に
思いっきり力を込めて、
逃げられないように抱きしめた。
「はるかちゃん、
好きだよ。」
「…っ」
「好き。はるかちゃんが好き。」
はるかちゃんは
その声に一瞬動きを止め、
「…私は好きじゃない…嫌いです」
そういった。
今なら気が付いてあげられる。
その声が震えてるってことに。
「離して!来ないでっていったじゃない!」
「好きだよ」
「離して…!!」
「はるかちゃんも、好きでしょ?
…俺のこと。」