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エスキス アムール

第20章 彼女との時間



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「…なに?話って。」




「態々ごめんね。」




彼女はツンとして、

俺の前に座った。




木更津に頼んで
彼女の連絡先を教えてもらい

昼休憩のときに、

出てきてもらったのだ。




彼女は、
机の上に社員証を置くと、
コートを横の椅子にかけて座った。



ふと、その社員証をみる。




「三嶋さんも、
それでリョウコって読むんだね。」


「……三嶋さん、も?

同じ名前の
知り合いがいるの?」

こちらの話に
興味を示したが、
そのツンとした対応は変わらない。



「いや昔さ、
傘をあげた子がいたんだけど、

その子もその漢字で、
リョウコって読む子だった。

素敵な名前だよね」



「…っ」


彼女はなぜか
瞳をグラグラと揺らし、

こちらを見つめた。

時間を見ると
そう長くいられない。


「俺さ、

はるかちゃんことが好きなんだ。
だから一緒にいたい。

もう、彼女に会いにいったり
邪魔するのはやめて欲しい。

今日は、
それを言いにきたんだ。」








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