エスキス アムール
第3章 めぐり合わせ
「アカリちゃん、紹介するよ。
この方は、
観月製薬の社長の観月さんと副社長の大野さんだ。」
「初めてまして。アカリです」
そう言うと、
二人は軽い会釈をした。
観月製薬。
子供の頃から飲んでいた薬は
確か観月製薬のものだ。
誰でも知っているような大手の社長が、
こんなに身近に居るのも何だか不思議な感じがした。
年寄りの方、もとい、
観月さんの視線は変わる事なく、嫌な目つきで私を見ていた。
やってられないぜ。
何をされるかわからない。
相手をしたら、
オプション料金ふんだくっても足りなさそうだ。
北山さんも
なかなかの変態だったけど、
一度経験済みだからまだ安心だ。
北山さんのそばに居るのが
一番賢明だな。
そう思いながら、
お酌に専念をした