エスキス アムール
第24章 逃亡日記
当然、俺が住むマンションは
マスコミが殺到し、
帰れなくなったので
ホテルに滞在した。
こんなにも長い間
ホテル暮らしするのは初めてだ。
久々のホテルは、
中々快適で、楽しんでいる自分もいた。
はるかちゃんは
どうしているだろうか
そんなことを
ふと、考えたが
ダメだ、ダメだと
考え直す。
ホテルで呆然としながら、
彼女の書いた手紙を燃やし、
指輪は捨てた。
あの無惨にもぐちゃぐちゃに丸められた俺の顔をみたとき
彼女はもう、
俺のことは忘れたいのだと思った。
夢のために何かを犠牲にするのは
仕方のないことだ。
自分の地位が危うくなれば
切り捨てるのだって散々見てきた。
慣れてる。
慣れてるよ。
彼女が、あの人と重なる。
皆一緒だ。
俺には、確認も無い。
勝手にニュースだけを見て
出て行った彼女に、
苛立ちもあった。
だけど、
それがきっかけになっただけで
そこまで一緒に住みたいわけでも
一緒にいたかったわけでもないのかなと
冷静に考え直しておもった。
彼女の気持ちと
俺の気持ちの大きさに
差が大きくあった。
ただそれだけのことなのだ。