エスキス アムール
第24章 逃亡日記
それから少しして。
警察の調べで、
俺は関与していないことが発表され
社長が事情を聴かれたと
ニュースで報道された。
そうすると、
今まで俺を叩いていたやつらが、
掌を返したかのように
同情し、擁護した。
世の中なんて、
マスコミなんて、
そんなものだと、可笑しくなる。
久々に携帯の電源を
つけてみると、
要から、昨日電話が来ていた。
恐らく、
無実のニュースを見たのだろう。
要もそんなに
簡単な奴だったのか。
どんどんどんどん、
ココロが冷めていく気がした。
カラカラに乾いている。
不思議と、涙は出なかった。
全てが枯れきっていた。
何もやる気も起きない。
朝起きてご飯を食べて部屋でボーッとしてまた夜が来て寝る。
その繰り返しだ。
「っていうか…」
着信やメールを見てみると、
要と、他の人からの
連絡があった中で
ダントツに多い、その名前。
ニュースに
流れた日からだろうか。
毎日10件近くずつ、
彼から
着信やらメールやらが届いていた。
全て心配する内容だ。
やっぱ、
あいつストーカー気質だよ。
ドンドンドンドンドンドン!
「うわ、」
その人からの
着信とメールの多さに
恐れおののいていた
そのとき、
部屋のドアが激しくノックされた。