エスキス アムール
第24章 逃亡日記
訳もわからずに
固まっていると、
「よかった…無事で。
ちゃんとご飯食べてた?
ちゃんと夜眠れてた?
ずっとここにいたの?
なかなか見つからなくて。
仕事なんて手につかないし
携帯つながらないし
もう、色々、
大変だったって聞いて
波留くん死んじゃうんじゃないかって…っ」
「………。」
木更津…、
と、感動したいところだが。
色々大変だったって聞いて?
色々?
聞いて?
おい。
「…お前、また興信所使って
隅々まで調べ上げただろ。」
「……」
こ、の、や、ろ、う。
ようやく、腕が離れて、
思いっきり息を吸う。
木更津をみれば、
まだ、心配そうな目をして、
俺を見ていた。
俺にも、
こんなに心配してくれてるやつが
いたんだな。
なんだか、
心がジンとした。