エスキス アムール
第24章 逃亡日記
「そう…。
…彼女のことは…?」
「完全に、興信所使ったな?」
「…。」
ストーカーめ。
これだから
金持ちってのは嫌なんだ。
どいつもこいつも調べやがって。
それにしても、
その興信所、
相当仕事ができるらしい。
世の中いつ調べられてるか
わからないから
怖い。
「もう、いいんだ。
はるかちゃんも、
要も社長も会社も
もう、いい。」
もう、たくさんだ。
みんなが離れていく。
少しのすれ違いと、
少しの誤解で
みんなが離れて行くんだ。
所詮、俺が
そこまでの関係しか
築き上げられなかった
力のなさだ。
人間の薄さの表れだ。