エスキス アムール
第24章 逃亡日記
「…でも、
やりたいことあるんじゃないの?
波留くん他に」
「…ほかに?
ないよ。
もう、なにも、ない。」
社長になる。
会社をつくりたい。
そう思っていた数ヶ月前。
もう、そんな希望を
持てそうにはなかった。
もう、いいのだ。
もう、嫌だ。
人を信じて
裏切られる。
すきな人は、みんな去って行く。
要もはるかも、みんな。
もうたくさんだ。
身体が全力でそう叫んでいた。
あの人が、
頭をちらつく。
最近は夢に毎日出てくる。
もう、精神的にも
体力的にも
疲れていた。