テキストサイズ

エスキス アムール

第27章 彼とのカスタム



とは、言ったものの。


木更津がいないので
ご飯を作るのも一人分で。

洗濯も一人分
ご飯を食べるのも一人


風呂から上がっても一人。



一人暮らしなんて
ずっと続けてきたはずなのに、

一人でいることに
違和感を感じた。



木更津が帰ってこないので
誰も待つ人もいない。

だから、
必然的に寝るのも早くなる。



ベッドに潜り込んで
ウトウトし始めた頃、


自然と自分の手が何かを探した。



んーー、ない。



ない。ない。



どこだ。



どこに行っても冷たい布団。
いつもなら、横が暖かいのに。




「…木更津…」


自分の発した言葉で瞼が開いた。



……。

なに俺、木更津探してたんだ。今。


俺は今一人で快適なはずだ。
ベッドだって広く使えていいじゃんか。


寝ぼけるといいことない。




寝てやる。



ねてやる。


…。




…。




そろそろ眠れる、


そのとき


ピリリリリリ

ピリリリリリ



電話がなった。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ