エスキス アムール
第27章 彼とのカスタム
「うまそー!!」
彼は一週間振りに帰ってきた。
波留くんがいなかったから
死にそうだったと、
抱きついてこようとしたのを避けて
風呂にいかせる。
出来たてのオムライスを出すと、
目を輝かせて、喜びの声をあげた。
ああ、この感じだよな。
一週間だけなのに、懐かしく感じる。
一人で食べていると、
自分の味に慣れてしまって
いつも通りなんの反応もなく食べるけど、
うまいうまいって、
目を輝かせて食べてくれる人がいると
こっちまで、温かい気持ちになれた。
木更津は、俺と同じで、
オムライスが大好物らしく、
本当に嬉しそうに食べてくれる。
そんな子供みたいな木更津が
可愛いなと思った。
…べ、別に変な意味じゃない。
彼が食べているのを見ているだけで
心が満たされた。