テキストサイズ

エスキス アムール

第30章 彼の変化




______________
________
__






「……」


やっぱり、おかしい。
最近、波留くんがおかしいのだ。




「社長。…社長!」

「…え、あ、なに?」

「どうされたのですか
随分遠くをご覧になっていた
みたいですけど」



秘書が僕の瞳を覗き込む。
一瞬、口をついて
話しそうになったが


ダメだ。

この人は波留くんに何年も
片想いしていた女性だ。

それに、ストーカー歴もある。
かなりしつこい。

もしバレたら


絶対に殺される。



恋愛において
役職なんていうものは
役に立たないのだ。



「いや、なんでもないよ」



仕事そっちのけで

波留くんのことを
考えている理由。


それは、波留くんの

僕に対する態度だ。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ