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エスキス アムール

第31章 彼の嫉妬




息を切らしながら、


ズズッと
彼のモノを抜く。




愛撫も、キスすらない
こんな行為は初めてだった。

嫉妬や怒りで
人を抱いたのも初めてだ。

そもそも、嫉妬するのが
初めてだったかも知れない。


後ろはジンジンと痛んだが
我慢して、彼の横に
なだれ込むように

寝そべった。


彼もまだ、
肩で呼吸をしている。




「波留くん…」

「なんだよ」

「誤解だよ…」



そう言って
こちらのほうを向いたので、
俺も彼の方を見ると

彼は、優しく笑った。



「電話してた人と、
今日食事に行く人は違う人だよ」

「…え?」




さっきの記憶をたぐり寄せる。

俺は朝からイライラしていて
電話してんじゃねーよって
思ってたところに

今日友達と食事だから
そういった。


…確かに、
電話の相手と食事とは言ってない。


木更津は
俺の動揺する顔を見て
笑った。





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