エスキス アムール
第38章 彼の想ひ
「…どのくらい?」
「え?」
「どのくらい好き?」
そんな、何処かの女子高生みたいなことを聞いてしまう。
いい大人が。
しかも男が聞くなんて、気持ちが悪い。
だけど、
永遠の愛など誰にもわからないことだ。
ましてや、こんな関係は、男女よりも確率が低いのだ、きっと。
泣きそうになっている僕を引き寄せて、彼は僕の肩に頭を乗っけた。
「んー、すごく。」
彼の心地の良い甘い声が、耳元で聞こえる。
いつもセックスのときは僕が攻めているし、彼は甘えてくるから、
こんな感じになるのが不思議だった。
「すごくってどれくらい?」
「んー宇宙の端から端くらい」
端から端って…
終わりがないじゃん。
ポツリとつぶやくと、
彼は
「そーだよ。ないよ。
終わりなんて。」
まるで僕の心を見透かすかのように、笑って僕の背中に手を回した。
彼の温かい体が心地良くて、
身を預ける。
もっとくっつきたくて、
彼の背中に腕をまわして力強く抱きしめた。