エスキス アムール
第5章 苦い体験
あと少しのはずなのに、
まだ終わらない。
意識は朦朧として、
呼吸が弱くなる。
体に力も入らない。
怖い。
ただひたすら、
目の前にいるこの男が
怖くてたまらなかった。
最後には抵抗するのも怖くて。
震える私に、
その人は更に興奮した。
そしてその人が絶頂を迎える時。
両手で私の首を掴んで締め上げる。
息ができない。
苦しい。
目からは勝手に涙が溢れた。
怖い。
やめて。
やめて。
気が付くと、
周りには誰もいなくて。
机の上にはたくさんのお金が積まれていた。