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エスキス アムール

第5章 苦い体験





まだ
首を絞められている感じが
抜けない。

身体中がズキズキと痛んだ。




勝手に涙が出る。

震える手で
札束を拾い上げると、
お金をいれる場所に放り込んだ。




もうなにも考えられない。



「はるか…?入ってもいい?」



シュウの声が
外から聞こえる。

なかなか出て来ない私を
心配しているようだった。



怖い。

シュウでさえも怖かった。





「入って来ないで!
これから寝るから!」

いつも通り、
なにも変わらないように
そう言ったけど、

多分その声は震えていたと思う。



だからか、
シュウも何時ものように冗談を言わず、


声を潜めて

「あと10分で開店だけど、
客取るのやめようか?」

そう言った。





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