甘い果汁
第5章 目撃な果汁
「ぅわあっ、忘れてた…ごめん、遼子、また明日その話聞くね!」
そういえばもうすぐ行われる卒業式の話し合いがあったんだ…!
遼子は、
「うんっ!別に何でもないから!ありがとーっ」
ニコニコ笑顔で大きく手を振った。
私も大きく手を振り替えして、図書室を後にした。
「…また言えなかった…」
遼子がそう、呟いているのを知らずに…。
――――――…
「ったく、亜衣ちゃんったら忘れん坊ですね…」
「あはは…ごめんねカンナ…」
廊下を走りながら、カンナに苦笑いした。
カンナは一つ下の学年で、優等生美女だ。
「はーーーやっと来た、ホントバカな花崎が」
生徒会長の神田先輩がため息をつきながら言った。
「す、すいません」
私とカンナは席についた。