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甘い果汁

第7章 苦い果汁



 「じゃあ、ここの問題できたらご褒美くれてやる」


 「えっ、わかった!」


 問6か…難しいな。


 夕菜の、くっそうるさいポテトチップスの食べる音を聞きながら、


 問題を解いた。ほんとに集中力なくす音だな。


 「できた、できた!!」


 「んーー見せてみ」


 っはぁーー、疲れた。


 ご褒美って何なんだろう、チューとか? んふふ…


 「おー、正解ジャン」


 夕菜は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。


 「えーっ! やったあ!

  っで、ご褒美ってな…んごぉっ」モゴッ


 私の唇に夕菜の唇が…じゃなく、


 大量のポテトチップスが流れ込んできた。


 それも、横向きじゃなく縦向きに。


 「んひょー、こへ、期間げんへいのやちゅじゃん」(これ、期間限定のやつじゃん)


 「うん。茜、美味しそうに食うなぁ…」

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