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サイレントワールド

第14章 VS DEMON LOD

「ふっ!」
鋭い気合いと共に鎖鎌が振るわれる。
闇桃太郎を狙ったそれはかわされるが鎖が巨大な金棒に絡まる。
『くっ…。』
動かなくなった金棒を手に立ち尽くす闇桃太郎に二つ目の鎌が襲いかかる。
間一髪かがんでかわし金棒を引っ張る。
「うっ…。」
伊川が苦しげな声を上げる。
だが鎖の力がゆるむ気配はない。
『ちっ!!』
無理やり鎖を引きちぎろうとする闇桃太郎の耳に
「『ゲイルスピード』!!!」
未来の声が聞こえた。
ヒュンッと唸りをあげ未来が右手に持つ『ゲイルアテンダント』が振るわれる。
『くっ!』
咄嗟に後ろに跳ぶが間に合わず胸を浅く斬られる。
「ぜあぁぁっ!!!」
絶叫と共に未来の左手が振るわれる。
その手に握られていたのは鎌。
伊川が外した二つ目の鎌は未来の手に握られていた。
その鎌が闇桃太郎の首を狙う。


突然だがこの世界には『部位欠損すると必ず死ぬ部位』というものがある。
例えば心臓や首と言った現実世界でも致命傷となる部位である。
つまりどんなに弱いプレイヤーでもその箇所に斬りつけたり突き刺したりといったことをすれば殺すことができる。
それはクエスト内のモンスターも同じである。
そして今の状況。
この未来の一撃がはいれば闇桃太郎といえども死ぬ。
それを回避するため闇桃太郎は必死に後ろに跳ぶ。
だが
(間に合わ…ない!)
死の刃が闇桃太郎の喉に触れ潜り込んで…。
真っ赤な鮮血が飛び散った。

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