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「なんとか倒せたな…。」
竹刀を手に持ったまま未来は翔たちの方を見る。
翔たちもちょうど倒し終わったようでこちらに向けて何か叫んできている。
「おーい。終わったぞー。」
気の抜けた声で叫ぶ。
すると
「バカ！未来後ろだ！」
「ッ!?」
ゾクッと寒気を感じて後ろを振り向く。
そこには
「グオオオッッ！」
「ぐ…!?」
とてつもない大声で雄叫びをあげるドラゴンの姿。
手には巨大な大剣をさげその身の丈は２メートル以上ある。
「しまった…。ここはヴァルキリーの巣だったのか…。」
「ヴァルキリー…？」
「ああ…。『竜騎士ヴァルキリー』。…倒せば元の世界に戻れると言われるボスモンスターの内の一体だ…。」
「ボスモンスター!?」
「ああ。ボスモンスターの特徴は出現範囲が決まってないことだ。だが通常ボスモンスターが出現する時は同じ系統…。今回で言えばドラゴン系のモンスターが現れることでわかるんだが…。まさかこのタイミングで出てくるとは…。」
「…どうする翔？」
龍が翔に問いかける。
「…。」
翔は黙ったまま少し考える。
「…普通に逃げてもすぐに追いつかれる。少しずつダメージを与えて怯んだ隙に逃げるぞ。」
「…なんとか倒せないのか？」
「恐らく無理だな…。こちらは３人しかいないのに向こうは…。」
翔は途中で話すのをやめヴァルキリーの方を向く。
つられてそちらを向くと
「グオオオッッ！」
ヴァルキリーの周りを囲むようにドラゴンソルジャーに似たモンスターが大量に現れていた。名前は『ヴァルキリーソルジャー』と書かれている。
「…異論はないな。未来。」
「…くそっ。」
憎々しげに吐き捨て未来たちはゆっくり後ろにさがる。
「グオオオッッ！」
さがる未来たちを追うようにヴァルキリーソルジャーたちが一斉に襲いかかってきた。