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「ミツケタゾ!!」
闇雉の声が響く。
その声は歓喜と興奮で彩られていた。
闇雉の視線の先。
そこには―
「…くそっ！」
―未来がいた。
腰にある剣の柄を右手で掴んでいる。
(やるしかないか…！)
未来は剣を一気に抜き放つ。
と同時に
「いっ…!?」
ガイン
と音をたてて剣が木に激突する。
その衝撃に耐えきれず尻餅をついてしまう。
「力いれすぎた…。」
そんな間抜けな格好の未来を見て闇雉は笑い始めた。
『ハハハッ！ナントマヌケナスガタダ！』
ハハハッと闇雉のどこか歪んだ笑い声が聞こえているが未来はそれを殆ど意識することはなかった。
未来は突如として現れたメッセージを見ていた。
―ちょうどいい。
未来はニヤリと笑った。
これなら伊川に言われた役目を安全に果たせそうだ。
だがチャンスは一度きり。
一度でもミスをすれば未来は死ぬ。
スッと剣を左手に持ち替える。
闇雉はまだ笑っていて未来に意識を向けていない。
―今だ！
未来の右手が高速で二回宙を叩く。
ポップアップしたメニューの装備を選択。
その後出てきた装備選択の部分を無視して一番下のアイコンに手を伸ばす―
『ナニヲシテイル!?』
―バレてしまった。
闇雉が未来の不審な動きを止めようと突っ込んでくる。
『オワリダ！『フェザントベック』!!!』闇雉の嘴が伸び未来を貫こうと近づいてくる…。
「かかったな！」
ニヤリと笑う。
伊川に指示されたことは闇雉に直接攻撃をさせ近距離戦に持ち込むこと。
後は伊川が攻撃をして決着をつける。
だが未来は闇雉に狙われるため極めて危険な状態になる。
だからさっきまでは未来は半分以上の確率で死んでいた。
だが今は違う。
近づいてくる闇雉の攻撃に対して体を素早く起こし右手を掲げた。
それに連動するように画面も動く。
「くらえ！」
といかにもな動作をして闇雉の注意をひく。
闇雉が右手の方に意識を向けた瞬間他人可視モードにする。
いきなり画面が出てきたことに驚き闇雉が一瞬怯む。
その隙をついて未来は嘴の横に移動する。