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サイレントワールド

第11章 HUNTER

正直無理だと思ってた。
私を救ってくれる人なんて簡単に見つかるわけ無いって。
学校の通学路で今川君を見つけるまでは。
…知ってた?今川君って『サイレントワールド』ではかなり有名だったんだよ?
何も知らないうちからモンスターを倒したって噂になってた。
その上『ヴァルキリー』まで倒しちゃうしね。
今川君のおかげで『サイレントワールド』を出られたってみんな言ってたよ。
だから私が今川君に会った時本当にびっくりした。
今川君が障害者だって話は聞いたことがなかったからね。
…あ、ごめん。
こんな話嫌だったよね。
…とにかく今川君に会えて私はもしかしたら助かるかも…って思った矢先にまたゲームが始まった。
私はまた『オリンポス』に『ハンター』をやるように言われた。
…あの時はごめんね。
あの時今川君が人を殺しちゃったのは自己防衛のためだったのに…。
本当にごめん。
…なんか私謝ってばっかだよね。
ごめんね…ごめん…。

…もう私に誰かを求める権利も資格も無いって分かってるけど…


…ごめん。君の隣で泣いていいかな…?
本当は泣く権利すら無いって分かってるけど…でも駄目なんだ…。
…止まらないんだ。
悲しみが。

憎しみが。

恨みが。

全ての負の感情が…。

だから。
どう受け止めてもいい。
蔑んでも罵ってもなんでもいい。
相手にすらしなくてもいい。
…だからお願い。
今は今だけは…









…泣かせてほしいんだ。

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