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サイレントワールド

第13章 PARTNER&ENEMY VS DOG&MONKY

「ふぅ…。」
右手の剣を肩の鞘にいれる。
微かにチンと音をたて完全に鞘に収まる。
それを確認してから未来は目の前にメッセージが表示されているのに気づいた。
「レベルアップか…。」
そう呟いた瞬間ゲージが満タンになる。
この中ではレベルアップすると自動的にゲージが完全に回復するらしい。
『…グオァァァッッ!!!』
『…そっちも終わったみたいだな。』
「チッ生きてたか…。」
水人が倒れた闇犬の側からでてきた。
『渚は?』
「まだ気絶してる。」
『そうか…。かなりの衝撃を受けたな。』
「ああ。…悪いな。」
『何がだ?』
「俺の責任だ。あいつを守りきれなかった。」
『フン。どうだっていい。』
「…?」
『そのままの意味だ。』
淡々と水人は言う。
『あいつは所詮戦闘が苦手な『渚』だ。『凪』には期待してたが…。』
「おい。ちょっと待て。」
『何だ?』
「俺が言ってんのはそういうことじゃない。俺はお前の娘を守れなかったってことを…。」
『それをどうだっていいと言ったんだ。』
「何…!?」
『あいつがどこの誰だろうがどうだっていい。使えりゃ使う。それ以外はただのゴミだ。』
「おい…!」
『そして今あいつは使えないゴミだ。』
すっと水人が遠くで倒れている伊川に『トリアイナ』を向ける。
『トリアイナ』が光を放つ。
『使えないゴミは…処分するだけだ。』
「てめえ!!」
未来が水人に飛びかかろうとする。
しかし
『そこまでだ『ポセイドン』。』
『『ゼウス』か…。』
どこからか声が聞こえてくる。
『そのクエストはそこの二人に任せることになった。つまり今その内の一人を消すわけにはいかない。お前はこちらに戻れ。』
『…俺がお前に従う義務は無いはずだが?』
『…『あの方』の命令だ。』
『何…!?どういう…。』
『私にも分からない。だが命令だ。』
『…分かった。』
水人がそう言った瞬間『扉』が開いた。
水人はそれにためらいなく入っていく。
『…約束は守る。このクエストをクリアしたらあいつを返してやる。』
水人はそう言い残してどこかに消えていった。

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