テキストサイズ

Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

「兄さんもって……」

「あっ……」

思わず口を片手で覆った。

「やっぱり美雨は、好きな男がいるんじゃないか。」

「あの…」

「正直に言わないと、俺の話はしないぞ。」

久しぶりに見る兄さんの意地悪そうな顔。

「もう、わかったわ。いるわよ、好きな人。」

「どんな奴?」

「どんなって…」

まさか階堂さんだなんて、兄さんには言えない。

「優しくて、カッコよくて、背が高い人。」

「ありきたりだな。」

「それでもいいの!」

それ以上話すと、兄さんに知られてしまうかもしれないし。

「ねえ、兄さんは?兄さんのお相手は、どんな方なの?」

「う~ん……」

兄さんは天井を見て、考える振りをした。

「優しくて、美人で、スタイルのいい人。」

「兄さんだって、ありきたりじゃない。」

「だってその通りの人だから。」

そう言って兄さんは、面白そうに笑った。

「美雨も会った事がある人だよ。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ