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Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

「私の知っている人?」

「ああ。」

誰だろう。

今まで会った事がある人を、一通り思い出すけれど、一向に思い浮かばない。

「ヒント。俺の一番近くにいる人。」

「一番近くに?」

「そう!」

兄さんの傍にいる人で、女の人を探す。

「…もしかして、美貴子さん?」

「当たり。」

「ええっ!!!!」

私は心底驚いた。

「だって美貴子さん、今年で30歳だよ?」

「うん。」

「5歳も年上だよ?」

「歳なんて関係ないさ。」

そう言い放つ兄さんに、私は開いた口が塞がらなかった。


美貴子さんは、兄さんの秘書をしている人。

と、言っても元々はお父さんの秘書をしていて、突然亡くなったお父さんの代わりに、急遽社長にならなければいけなかった兄さんを支えてくれた一人。

お父さんが亡くなったばかりの時は、私たち兄弟を気遣ってくれて、よくこの家にも来てくれた。

兄さんの言う通り、優しくて美人で、スタイルのいい人。

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