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Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

その日は、お昼頃から雨が降り出した。

お店のお客様も雨の影響か、いつもよりも少なかった。

「夏目さん。在庫確認、お願い!」

「はい!」

店長に言われて、店の入り口付近から、在庫の確認を始めた。

「あっ、この皿。また無くなっている。」

季節物は、知らない間に売り切れになっているから、気が抜けない。

「う~ん。どうしようかな。基本は10皿なんだけど、すぐ無くなりそうね。」

店長に相談してみようと、後ろを振り返った時だ。

途中で、お店の窓ガラスの向こうに、見たことがある人の姿を見つけた。

「階…堂…さん……」

その名前を呼ぶだけで、胸がドクンと波打つ。


どうして。

今は仕事をしている時間だと言うのに、どうしてこのお店の前にいるの?

階堂さんはお店の軒下に立って、中に入ろうとしない。


もしかして

私がお店を出ていくのを、待っているの?


時間を見れば、私がバイトを終える時間だ。

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