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Gentle rain

第7章 心と体

森川社長の担当者だと言う方は、意外にも次の日に、この会社に来てくれた。

「森川の代わりで参りました。森川菜摘と申します。」

来たのは、森川社長のお嬢様の菜摘さんで。

俺は菜摘さんに会うのは、あのパーティーの夜に、キスを交わして以来だった。

「お元気そうですね。」

「菜摘さんこそ。お元気そうでなによりです。」

次の日に送られてきたメールに返事をしてから、菜摘さんとは連絡をとっていない。

だがそれを敢えて口には出さず、お互い仕事をする様は、さすがに、仕事ができる女という印象を、菜摘さんは俺に与えた。

「早速ですが、企画会議は来週の頭に、当社で行いたいと……」

「企画会議?」

共同制作でもないのに、会議なんて持つ必要があるのか?

「今回は協賛という形で、御社に製品をお願いしておりますが、実際は御社の製品を全面に押し出していこうと思っております。」

思いがけない提案に、俺は言葉もなかった。

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