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Gentle rain

第7章 心と体

間違いなくいい女。

その確信を得た俺の前に、菜摘さんは一枚の書類を差し出した。

「こちらは今回のプロジェクトの契約書になります。こちらにサインを頂いてもよろしいでしょうか。」

俺の気持ちは99%決まっていた。

だが1%の胸騒ぎが、サインをする事を躊躇った。

「これはいつまでサインすればいいですか?」

「そうですね。来週の頭までに当社に頂ければ、問題はございません。」

一週間も先延ばしにするのか?

だが菜摘さんの笑顔は、必ず俺がサインをするという自信に溢れていた。

「では後ほどサインをして、菜摘さんの元へお送り致します。」

「ありがとうございます。あっ、お待ち下さい。」

菜摘さんは何かを思い出したかのように、カバンの中を探しだした。

「お送り頂く際は、こちらをご使用下さい。」

目の前に置かれたのは、森川社長の会社の住所が書いてある封筒だった。

ご丁寧に切手を貼らずに済むように、郵便後納にしてある。

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