テキストサイズ

Gentle rain

第2章 興味

「ほら!私、小さな小物とか、食器とか集めるのが好きでしょう?だから、そういうのを扱うお店を開きたいの!」

「雑貨屋って事?」

「うん……」

食べる事を止めて、足を組んだ兄さんは、机をトントンと指で叩きだした。

兄さんの考えている時のクセ。

「美雨がそう言うのなら、応援しないわけでもないけど。」

「本当?よかったぁ。私ね、雑貨屋さんになるのが、小さい頃からの夢だったの!」

兄さんに、私のやりたい事を分かってもらえた嬉しさに、思わず両手でスプーンをギュッと握った。

「その代わり、ちゃんと勉強もすること!いいね。」

「は~い。」

私は“わかってます”って顔で、渋々右手を上げた。

そのリアクションが余程面白かったのか、兄さんは額に手を当てながら、ずっと笑っている。

「もう。いつまで笑ってるの?兄さん。」

「ああ、ごめんごめん。」

謝りながらまだ笑い続ける兄さんだけれども、正直兄さんに笑顔が戻って、私は嬉しかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ